8月18日日本記者クラブで、元東京地検特捜部長などを歴任した宗像紀夫氏(現中央大学法科大学院教授)と日弁連取調べの可視化実現委員会副委員長後藤貞人弁護士が、取調べ可視化をめぐって激論を交わした。
討論の中で、宗像氏は、取調べの可視化をしたら、真相解明が困難となるという法務省・検察側のお決まりの議論を持ち出し、その根拠として、被疑者が「検事さん、すみませんが事務官をはずしてもらえませんか」といい、事務官を外して二人だけになって初めて共犯者の名前を告白したという例を挙げた。これは、検察側の根拠としてよく出される例である。
これに対し、後藤弁護士は、以下のように切り返した。
よく検察官は「席を外してください」という話があったことを、可視化の反対論の根拠にする。
しかし、それは真相を解明するはずの検察官が、真相にふたをしようとしていることにほかならない。検察官・警察官は犯罪を摘発して、真実を明らかにするという崇高な使命を負っている。真相を解明するからこそ、崇高といえる。ところが、実際にあった取調室のできごとを、「一部かくしておいたるわ」「よっしゃ。席外してくれ?外したるわ」「ここは書かんといてください? おう、書かんとくわ」と、こういうふうに言って、その崇高な使命を達成できるであろうか。
裁判は真相を明らかにする場である。取調室の真相は明らかにしないようにするというのは、不正義であり、不公正である。 「席を外してください」と言われた時に、検察官はどうすべきか。「いや、君。これは私1人で聞くべき問題ではない。場合によっては、あなたがしゃべることは、法廷に出るんだ。(法廷で耐えうる真相を明らかにすることが)私の務めだ」と、説得すべきだったはずである。
どちらの議論に説得力があるだろうか。
それにしても、密室でしか語ることができない「ひそひそ話」が、「真相解明」の名に値するのであろうか。
文責:秋田真志
法務省側のおきまりの議論はこちらへ








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