取調べ可視化 最前線

取調べ中の暴行など~覚せい剤事件での無罪判決

 大阪地裁堺支部で9月5日言い渡された(と思われる)覚せい剤事件の記事です。ちょっと古いですが、ご参考まで。

OhmyNews:行き過ぎ捜査で無罪判決
 大阪の覚醒剤事件、メディアは沈黙   竹内 豊

 大阪府堺市で覚醒剤を使用したとして逮捕・起訴された21歳の男をめぐる今月5日の裁判で、警察の違法な捜査の一端が明らかになった。取調べを行った警察官は、令状の無い任意の取調べでありながら男を警察署に連れていって下着一枚にした上、殴るなどして強引に尿検査を行ったという。裁判所は、提出された覚醒剤反応の出た尿検査の結果について「違法に収集されたもの」と断定、証拠として認めず、覚醒剤の使用について無罪の判決を言い渡した。

 男は大阪南部の堺市に住む21歳の大工。昨年12月4日、覚醒剤を使用しているとして堺北警察署の警察官に覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕され、後に起訴された。その後の調べで男の自宅から覚醒剤が見つかったため、男は覚醒剤取締法の使用と所持の両方の罪に問われていた。大阪地方裁判所堺支部で5日に開かれた判決公判で細井正弘裁判長は、問われている罪のうち覚醒剤の所持については有罪としたものの、覚醒剤の使用については無罪とする判決を言い渡したのである。判決理由で細井裁判長は「警察官は令状も無いのに警察署内で被告のズボンを脱がして所持品の検査を行った。また取り調べの最中に警察官は被告を殴るなどし ており、捜査に行き過ぎが有ったと言わざるを得ない」と述べ、男に対する堺北警察署の取調べが違法なものであったと断定した。

 その上で細井裁判官は、「その後の尿検査で覚醒剤反応は出ているが、違法に収集されたものであり証拠として採用する事はできない」として、検察から提出された尿の鑑定書を却下。捜査段階の男の供述についても、「任意性が疑わしい」とし、これも却下した。そして覚醒剤取締法の使用について無罪とした上で、自宅から押収された覚醒剤だけを証拠として採用し、覚醒剤取締法の所持の罪で懲役1年6ヶ月、執行猶予3年の判決を言い渡した。

 判決について大工の弁護を務めた松井清志弁護士は、「違法な取調べについて裁判所が厳しい判断を示したもので、警察は反省してもらいたい」と話している。

 一方、大工を逮捕した堺北警察署も起訴した大阪地方検察庁堺支部もコメントを出してないが、大阪地方検察庁の幹部の1人は「覚醒剤の取調べは任意で尿検査などを行うのが普通で、令状が無いという事だけで問題にはならないと思うが、殴ったりするなどというのは行き過ぎが有ったと言われても仕方がない」と話し、控訴して更に争うのは難しいとの認識を示した。

 一部とは言え、最も重要な争点で裁判所が無罪の判決を出したものだが、この事実を報じたメディアはテレビ局1社だけだった。真相は不明だが、これについて地元のマスコミ関係者はこんな見方を示した。

 「一般的に検察や警察と癒着していると言われる日本のマスコミの中でも、大阪のマスコミは特に癒着の度合いが強い。しかも各社で談合してニュースを決めるという悪習が常態化しており、皆で話してボツにしたのではないか」

2006-09-08 03:03 ゥ2006 OhmyNews