取調べ可視化 最前線

接見時に再生するビデオテープが事前検閲を経ていないことを理由にビデオ再生しながら接見するのを拒否できない

 大阪拘置所において、ビデオ再生しながら接見する旨申出をした弁護士に対し、接見時ビデオ再生に用いるビデオテープが事前検閲を経ていないとしてビデオ再生しながら接見するのを拒否したのは違憲・違法である。

 後藤国賠訴訟について、このような画期的な判断を下した大阪地裁・大阪高裁の判決が本日(4月13日)が最高裁の上告受理申立て却下決定により確定した。
 後藤国賠訴訟において、大阪地裁・大阪高裁は上記違憲・違法との判断をしたうえで、国家賠償責任における公務員の過失に関し、弁護人と被告人との間の信書検閲を記録化して検察官に報告したことが違法であると断じ国の責任を認めた高見岡本国賠訴訟で大阪拘置所の行為が問題とされ同訴訟の判決が大阪拘置所における接見に関する職務を行う上で参考になるにもかかわらずここから秘密接見交通権について何ら学ぶことなかった(不断の研鑽を怠った)国に国家賠償法上の注意義務違反(=過失)があることを認めた。
 国は、大阪地裁・大阪高裁の判決の判決を不服として最高裁に対し上告受理申立てをしていた。

時事ドットコム:違憲判断の一、二審が確定=接見時のビデオ拒否訴訟-最高裁
2007/04/13-21:53
 拘置中の被告と接見する際、証拠品のビデオテープを見せようとしたが、大阪拘置所が事前検閲を求め許可しなかったとして、大阪弁護士会所属の弁護士が国を相手に、1100万円の国家賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(中川了滋裁判長)は13日、国側の上告を受理しない決定をした。違憲判断を示して110万円の支払いを命じた一、二審判決が確定した。

asahi.com:拘置所での証拠ビデオ再生拒否「違憲」 国の敗訴確定 – 社会
2007年04月13日21時25分
 弁護士が刑事事件の被告に接見した際、証拠品のビデオテープを事前検査なしに見せることを拘置所職員が拒否し、こうした行為が違憲かどうかが争われた訴訟で、最高裁第二小法廷(中川了滋裁判長)は13日、国の上告を受理しない決定をした。拘置所が内容を事前検査しようとしたのは、被告が弁護人と秘密に接見できる権利(秘密交通権)を侵害し、憲法に違反すると認めて慰謝料など110万円の支払いを命じた一、二審判決が確定した。
 裁判は、大阪弁護士会所属の後藤貞人弁護士が01年、大阪拘置所(大阪市都島区)で接見中の被告に、刑事裁判の証拠品のビデオテープを見せようとしたところ、拘置所職員に拒否されたことをめぐって起こされた。弁護士は弁護活動を妨害されたとして国に1100万円の損害賠償を求めていた。
 一審・大阪地裁、二審・大阪高裁とも、被告が立会人なしで弁護人と接見できることを定めた刑事訴訟法39条は憲法に由来し、接見内容の秘密を保障していると指摘。テープの事前検査は憲法違反で許されない、と判断した。

神戸新聞Web News:証拠ビデオ“検閲”は違憲 接見妨害で国敗訴確定
2007/04/13 20:29
 接見の際、裁判の証拠ビデオテープを事前検査なしに被告に見せることを拘置所職員が拒んだのは憲法違反として、大阪弁護士会の後藤貞人弁護士が国に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の上告審決定で、最高裁第2小法廷(中川了滋裁判長)は13日、職員の行為を違憲と認めて110万円の支払いを命じた1、2審判決を支持、国の上告を棄却した。
 国の敗訴が確定した。
 法務省成人矯正課は「拘置所職員による内容確認なしでは証拠ビデオなどの再生は今も認めていないが、決定を見て対応を考える」としている。
 2005年1月の大阪高裁判決によると、後藤弁護士は01年10月、窃盗罪で起訴された被告(当時)と接見するため大阪拘置所を訪問。裁判で証拠採用された防犯カメラの映像を見せようとビデオテープと再生装置内蔵テレビを持参したが、職員は事前の内容確認を経ない再生を拒否した。
 1審大阪地裁判決は「秘密を保った状態での弁護人との接見を保障した『秘密接見交通権』の侵害に当たり違憲、違法」と認定。高裁も1審の判断を支持した。
(なお、この記事と同じ内容のものが各地の多数の新聞社から配信されている) 

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