取調べ可視化 最前線

警察庁さんへ、そろそろ腹を決めたらどうですか。

 取調べ全過程の録画録音による「取調べの可視化」実現の流れに抗するかのように、警察庁がまたへんてこな弥縫策を打ち出した。来年度から、「取り調べ状況を監視・監督する専門部署」を新設するというのだ。
ついこの間は、調書の全頁署名指印という弥縫策を打ち出していたが、取調べの状況・過程そのものを直接の対象にして取調べの適正が確保されているかチェックしなければならないところまで、ようやくたどり着いたようだ。背景には、12人全員無罪になった鹿児島県議選違反事件や富山えん罪事件でクローズアップされた、警察官による取調べの問題点、虚偽自白獲得のための取調べの問題性がある。マスコミでも積極に取り上げられた。
しかし、第三者が客観的にチェック・評価しなければ取調べの適正さを担保できないのは明々白々である。警察庁の策は、結局内輪でなぁなぁの「監視・監督」に堕するおそれが大きい。内部の不祥事は隠すとか恩情をかけることはないだろうか。結局全くのナンセンスじゃないだろうか。「取調べの可視化」とは似て非なるものであることに変わりはない。

 「無辜の不処罰」 その重さをもっともっと実感してもらわなければならない。

弁護士を取調べ状況の監視・監督官に採用するのであれば多少違うとは思うけど、そもそも録画・録音がなければ客観的な事実としての取調べの状況・過程を確定できない。取調べの可視化は、警察・検察の捜査権力のプロセスを透明化する、透明性を高める試みでもある。専門家だけが関与するだけではダメだと思う。
捜査権力のプロセスは国民の批判に耐えうるものでなければならないが、国民の批判は取調べの可視化なくして生まれ得ない。このことが銘記されなければならない。

国家公安委員会は、警察庁に取調べの監督強化や時間管理の厳格化などの対策検討を指示した模様で、「異例の指示」とのことだが、確かに、取調べに関する規制がほとんどないか、あっても機能していない状況では、国家公安委員会の指示もまんざらではない。しかし、取調べの監督強化という点は上記警察庁の策と同じく、ナンセンスである。内容的に「異例」だとは到底いえまい。

そろそろ腹を決めたらどうですか。

東京新聞:取り調べ監視に新組織 警察庁、来年度にも 冤罪批判受け:社会(TOKYO Web)
「公安委、取調べ適正化へ対策求める」 News i – TBSの動画ニュースサイト
取り調べ監督強化 警察庁 冤罪事件受け部門新設(産経新聞) – Yahoo!ニュース
asahi.com:取り調べ監視に専門部署 警察庁 警察本部に新設へ – 社会