取調べ可視化 最前線

自白の任意性と取調べ状況の録画

 大阪地裁で、取調べ状況の録画がないとの理由で、自白調書の証拠請求を却下していた模様。
 先日、取調べ録画DVDを証拠として取調べた後自白調書の任意性に疑い有りとされた事例についてこのブログで取り上げたが、今回は録画がないとの理由である。画期的な判断といえよう。同様の事例が集積されていくことが望ましい。今後に大いに期待したい。

中国新聞ニュース:「録画ない」と調書却下 殺人被告公判で大阪地裁
 ‘07/11/29

 殺人罪などに問われた宇津隼人うつ・はやと被告(24)=一審懲役十二年、控訴=の公判で、大阪地裁(横田信之よこた・のぶゆき裁判長)が「録画などの客観証拠がない」ことを挙げ、供述調書の証拠請求を却下していたことが二十九日、分かった。取り調べ状況を録画した映像を基に自白の任意性を判断した例はあるが、映像がないことを理由に調書を証拠採用しなかったのは珍しい。

 一審判決などによると、宇津被告は交際していた女と共謀して当時十九歳の男性を暴行し、二〇〇五年十一月、体にバーベル用のプレートを載せて大阪・淀川に沈め、殺害した。

 昨年五月、大阪府警に逮捕された当日に殺害を自供したが、翌日に弁護士が接見して否認や黙秘に転じ、後に再び殺害を認めた。当時は録音・録画の試行前で、弁護士は捜査機関に取り調べの可視化を申し入れていた。

 宇津被告は公判で「取調官から『否認すれば最悪な結果になる』と言われた」と主張。横田裁判長はことし七月、録音・録画の証拠がないことなどを理由に「被告の主張は排斥できない」と指摘し、証拠請求された約五十通の調書類のうち逮捕翌日以降の四十四通を却下した。

 九月の判決は客観状況や公判供述から殺意を認定して、有罪を言い渡した。