取調べ可視化 最前線

有識者懇談会のゆくえ~富山県警本部長の答弁から

 富山県議会で、取調べの可視化が富山えん罪事件のようなえん罪の再発防止に効果的ではないかとの質問に対し、県警本部長は、取調べにおける人間関係論を基本としつつ、取調べの可視化には極めて慎重な検討が必要と答弁した。

県議会、「可視化」導入に消極的な見解
2007 年 12 月 11 日 11:19 現在
 氷見市出身の男性が強姦事件で刑務所に服役した後に無実が判明した「えん罪事件」を受け再発防止策として検討されている取調べの「可視化」について、吉田県警察本部長は、11日の県議会で、あらためて導入に消極的な見解を示しました。

 11日の県議会一般質問で自民党の山本徹議員は、えん罪事件の原因究明に加えて再発防止策として取調べの可視化が有効ではないかと吉田県警本部長の考えを質しました。

 これに対し吉田本部長は取調べは時間をかけ被疑者とのコミュニケーションを重ね、人間関係を築いて少しずつ真実の供述を引き出すことが重要だとの見解を示しました。

 そして取調べのようすを録音録画することで、被疑者が意識すると人間関係を築くことが困難になり、また被害者のプライバシーに関する情報も法廷にさらされる危険があるとして、取調べの可視化については「極めて慎重な検討が必要」と述べ、9月の県議会答弁と同様、導入に消極的な考えを示しました。

 吉田本部長は、今回のえん罪事件については裏付け捜査の不徹底が原因という認識を示し、今後、国家公安委員会が検討してる指針が示されればそれに真摯に対応したいという考えを示しました。

 この答弁は、先の警察庁長官の発言と軌を一にしています。有識者懇談会の結論も概ねこの線でまとまる形になるのでしょうか? 中山研一先生はブログで「警察庁の有識者懇談会」について言及し、有識者懇談会の顔ぶれから、同懇談会の結論を大胆に予測しておられます(中山先生の予測に1票を投じたいと思っています)。

 しかし、そういう結論になるなら、はじめから結論ありきの有識者懇談会など、お金と時間をかけてやる意味があるのでしょうか? 取調べ可視化という時流の中、可視化論議でお茶を濁すだけで国民から信頼される警察になるのでしょうか? … いろんな疑問がわいてきます。