取調べ可視化 最前線

捜査官による「接見内容の聴取は違法」 by 鹿児島地裁

取調官の「接見内容の聴取は違法」 – 社会ニュース : nikkansports.com
 元被告12人全員の無罪が確定した鹿児島県議選の選挙違反冤罪(えんざい)事件をめぐり、取調官が接見(面会)内容を聞き出して調書化したのは違法として、弁護士11人が国と県に計1億2100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、鹿児島地裁の高野裕裁判長は24日、「捜査機関による接見内容の聴取は違法だ」として、計550万円の支払いを命じた。
 刑事訴訟法は、容疑者、被告と弁護士が立会人なしに接見できる接見交通権を規定しており、判決理由で高野裁判長は、作成された調書76通のうち54通について「違法に弁護人固有の接見交通権を侵害した」と指摘。
 「原則的には、接見内容を捜査機関に報告させることも許されない」とし、「自発的に供述したとしても、弁護人の接見交通権の放棄があったとは認められない」と述べた。
 原告は鹿児島県弁護士会の10人と宮崎県弁護士会の1人で、2004年4月に提訴。原告側によると、接見内容を捜査側が取り調べたり、調書にしたことの適否が争点となった訴訟は初めてだったという。
 国と県は「接見に立ち会ったわけではなく、接見内容の供述も自発的だった」と違法性を否定、請求棄却を求めていた。
 判決によると、03年4月の県議選に絡む公選法違反事件の捜査で、担当の検察官や警察官が同月から8月にかけて、逮捕後や起訴後の取り調べ中に、元被告7人から弁護士とのやりとりを聴取し、76通の供述調書を作成。一部は、捜査段階の自白の信用性などを補強する証拠として公判に提出された。

asahi.com:志布志事件「違法に接見交通権侵害」 国・県に賠償命令 – 社会

捜査側4度目敗訴、接見内容聴取の違法性厳しく指摘 : 鹿児島県議選「踏み字」事件 : ニュース特集 : 九州発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 報道によると、鹿児島地裁は、秘密接見交通権は、「原則的には、接見内容を捜査機関に報告させることも許されない」ものであることを確認し、また、「自発的に供述したとしても、弁護人の接見交通権の放棄があったとは認められない」と判断した模様。

 報道内容から、以下の点は指摘しておいてもよいと思う。
 つまり、秘密接見交通権は、被疑者・被告人と弁護人との間の接見内容を国家、特に捜査機関が覚知することを禁止し、自由なコミュニケーションを図ることにより、被疑者・被告人の弁護人依頼権を実質的に保障するもの。したがって、接見前・接見中・接見後のいかなる時点においても捜査機関が接見内容を覚知することを許さないのは当然のこと。これが判決で確認されている点で大きな意義があろう。また、秘密接見交通権はコミュニケーション過程を保障する権利なので、被疑者・被告人のみならず弁護人の弁護権としても保障される。したがって、当然、被疑者・被告人が自発的に供述したとしても、弁護人の弁護権侵害は残る。これを確認している点も大きな意義がある。

*指宿教授の「接見後の秘密交通権侵害・いわゆる志布志事件にかかわる国賠判決」も訪問してみてください。