雑感~裁判員制度のスタートを3年半後にひかえ

 公判前整理手続が11月1日からスタートした。この手続は裁判員裁判制度の下では欠かせない手続。最近、そのこともあってか、あるいは裁判員裁判が3年半後に開始することもあってか、裁判員裁判に関する話題も多い。

 例えば、

①朝日新聞
 2005年11月2日15時32分の見出し
  「裁判員制、量刑検索が可能に 証拠は減量 最高裁試案」
 2005年11月6日23時41分の見出し
  「判決文、わかりやすく 最高裁、裁判員導入へ文例検討」

②読売新聞
 2005年11月5日付・読売社説(2)
  [改正刑訴法施行]「『裁判員制度』の準備を着実に」
 2005年11月11日付・読売社説(2)
  [死刑制度]「『裁判員』が負う厳酷な義務」

その他、検察庁のPRや各地で開催されている裁判員制度による刑事模擬裁判の話題、フォーラムの開催など、ニュースを拾い上げればきりがない。

 ところで、自白の任意性・信用性を判断しようとすると取調べの過程がどうだったかが重要な問題となる。現在の裁判では、警察官の証人尋問など取調べ過程についての審理について相当程度の時間をかけ、その上で供述調書の信用性を吟味するという作業が要求されている。裁判員がやるには負担が重すぎる。
 裁判員の負担を減らすための工夫としては、様々あろうが、現時点では、捜査段階で供述調書を一切作成せずすべて公判廷で供述するという方法、and/or 取調べ全過程を録画・録音することにより供述調書の任意性・信用性を判断するという方法がベターであると思われる。

 また、公判廷での供述が中心になるとすれば、公判廷での供述が正確に記録されなければ確認すらできず、あやふやな記憶で判断せざるを得なくなる。これでは裁判員も困ると思う。特効薬は速記官による速記。現在は、コンピュータ技術の発達もあってリアルタイムに法廷での発言を文字化できる。即日公判供述の記録を見ることができる。公判供述の速記録が即日交付されうるというのは、裁判員だけでなく検察官・弁護人にとっても重要なはずだ。もっとも、最高裁は速記官の養成をやめており、現在速記官は減少の一途を辿っている。ますます大きな需要が見込まれる速記官の養成を一刻も早く再開してもらいたいものだ。

 取調べの可視化と速記官制度について言及したニュースはなかった。裁判員制度の運用にあたり課題は多いが、とりわけ、取調べの可視化と速記官による速記(速記官養成)は裁判員制度の運用にあたり是非とも実現されるべき課題であろう。

 

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